【第3回】診断士が試算!あなたの会社で年間いくらの利益が「体調不良」で消えているか?

産業医×中小企業診断士 ショート対談
産業医:「診断士先生、B社の経営陣に『プレゼンティーイズムを改善しましょう』と提案したのですが、『体調管理は自己責任。会社が金をかけてやることじゃない』と一蹴されてしまいました」
診断士:「経営者には“感覚論”や“健康論”ではなく、“数字”で突きつけないと響きません。そこで、B社の全社員50名の給与データとプレゼンティーイズムの簡易調査をもとに、損失額を試算してみました」
産業医:「おお! どんな数字が出ましたか?」
診断士:「B社の平均年収を500万円とします。WHO(世界保健機関)などの標準的な指標に基づき、不調による生産性低下割合を平均20%と保守的に見積もっても、社員1人あたり年間100万円の損失です。全社50名で計算すると……なんと年間5,000万円の人件費が空中に消えている計算になります!」
産業医:「年間5,000万円! B社の営業利益を丸々吹き飛ばす規模の金額ですね……!」
診断士:「そうなんです。B社の現在の営業利益は年間約3,000万円ですから、プレゼンティーイズムによる損失を半分(10%分)改善させるだけで、会社の利益は2,500万円上乗せされ、営業利益がほぼ倍増する計算になります」
産業医:「『自己責任』として放置しているコストのほうが、健康対策にかかる予算より桁違いに大きいわけですね」
診断士:「その通りです。健康課題の放置は、経営上の最大の“浪費”であることを数字で示して経営陣の目を覚まさせましょう!」
診断士×産業医の視点と解説
プレゼンティーイズム損失は、財務諸表の損益計算書(PL)には「人件費」という名目で隠れて現れません。だからこそ、経営指標(KPI)として数値化して捉える必要があります。
項目 | 従来の認識(アブセンティーズム中心) | 本質的な認識(プレゼンティーイズム重視) |
主な損失要因 | 休職者の傷病手当、代替派遣費用 | 現場社員の集中力低下、手戻り、ミス、判断遅延 |
全社損失割合 | 全体損失の約10〜15% | 全体損失の約75〜80% |
損失の試算式 | (休職日数 × 日給) | (年間人件費総額 × 業務機能低下率[15〜30%]) |
対策のアプローチ | 休職者への個別対応、産業医面談 | 職場環境の改善、睡眠・作業負荷のマネジメント |
診断士の試算ロジック: 社員10名の中小企業でも、平均年収400万円×低下率20%=年間800万円の機会損失が発生しています。健康投資はこの数千万円の埋没コストを利益へと変換する事業再生プロジェクトです。
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