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産業医✕中小企業診断士の視点で挑む経営支援

【第3回】「ぬるま湯」と「心理的安全性」の決定的な違い〜高い基準と高いサポートを両立する組織論〜

執筆者の写真: 鈴木龍介
鈴木龍介
16 時間前
読了時間: 3分

産業医×中小企業診断士 ショート対談

診断士:「最近、ハラスメントを恐れすぎるあまり『若手には絶対に厳しいことを言わない』『残業も一切させず定時で帰す』という過保護な対応を取る経営者が増えています。ところが、そうした会社でも『成長実感がない』と若手が辞めていくんです」

産業医:「それは『心理的安全性』の概念を完全に履き違えていますね。厳しいフィードバックを排除した職場は、心理的安全性があるのではなく、ただの『ぬるま湯(快適ゾーン)』です」

診断士:「ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱した組織マトリクスですね。『仕事の基準(責任)』と『心理的安全性』の2軸で整理するモデルです」

産業医:「ええ。仕事の基準が低く、心理的安全性だけが高い状態は『快適ゾーン(ぬるま湯)』であり、社員の向上心やドーパミン(達成動機)を奪います。逆に仕事の基準が高く、心理的安全性が低い職場は『不安ゾーン』で、恐怖による脳疲労とメンタル疾患が多発します」

診断士:「目指すべきは、仕事の目標水準は高いけれど、失敗した時に責められず何度でも相談できる『学習・成長ゾーン』ですね」

産業医:「その通りです! 若手は楽がしたいのではなく、『失敗を恐れずに挑戦できる後ろ盾』を求めているのです」

診断士:「単に優しくするのではなく、高いゴールを共有しながら足元の業務を徹底的にバックアップする。この設計こそが組織マネジメントの本質ですね」


診断士×産業医の視点と解説

心理的安全性とは「アットホームで仲が良いこと」でも「甘やかすこと」でもありません。

【エドモンドソンの組織ゾーンマトリクス】


高 ↑ [不安ゾーン]                     [学習・成長ゾーン]★目指すべき姿

事 │ ・失敗への恐怖、隠蔽の多発       ・高い目標へ果敢に挑戦

業 │ ・離職率高、メンタル不調続出     ・本音の議論、高生産性、低離職

の │

基 │ ─────────────────────────────────

準 │ [無気力ゾーン]                   [快適・ぬるま湯ゾーン]

   │ ・指示待ち、無関心                ・仲は良いが成果が出ない

低 ↓ ・組織の衰退                        ・優秀層から「成長できない」と離脱

   └─────────────────────────────────→

     低              心理的安全性              高

  • 産業医の視点(厳しさと安全性の共存):

「人を叱る」のではなく「課題・プロセスを客観的に検討する」対話が必要です。「あなたの存在は100%肯定・承認しているが、この業務プロセスのここには改善点がある」と切り分けて伝えることで、若手の自尊感情を傷つけずに高い要求を課すことができます。

  • 診断士の視点(挑戦を評価する制度設計):

失敗を減らす減点主義の人事評価を撤廃し、「失敗してもそこからの学びやリカバリーの行動量」を加点評価する制度へシフトすることで、自律的な挑戦意欲を引き出します。

 
 
 

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