【第1回】社長が倒れたら即倒産?〜ワンマン企業に潜む「健康破綻」という最大のリスク〜

産業医×中小企業診断士 ショート対談
産業医:「診断士先生、先ほどA社長の健診結果と面談記録を見たのですが、収縮期血圧が180mmHgを超えていて、心電図にも虚血性の変化が出ています。いつ急性心筋梗塞や脳出血で倒れてもおかしくない緊急事態です。直ちに精密検査と最低2週間の休養を指示したいのですが……」
診断士:「ドクター、医学的な危機感は痛いほど分かります。ただ、A社は典型的なワンマン企業で、仕入の最終判断、大口顧客との価格交渉、銀行の資金繰り対応まで全て社長一人で握っています。今社長が2週間現場を離れたら、月末の決済がショートして会社が潰れてしまいますよ」
産業医:「しかし、このまま放置して現場や運転中に倒れたら、それこそ即座に不可逆的な事態になります。突然死や重度麻痺が残れば、2週間の離脱どころか『永久の不在』になりますよ」
診断士:「おっしゃる通りです……。『社長が元気なこと』を前提にしたビジネスモデル自体が、最大の経営リスクだったわけですね」
産業医:「ええ。健康管理を個人の自己責任ではなく、事業継続計画(BCP)の最重要項目として捉え直す必要があります」
診断士:「分かりました。会社が倒産する前に、そして社長の血管が破裂する前に、社長不在でも業務と資金が回る“脱・属人化”の仕組みを大至急作りましょう!」
診断士×産業医の視点と解説
多くの中小企業において、経営者自身の健康は「個人のプライベートな問題」として片付けられがちです。しかし、資本力と人員に余力がない企業において、社長の突然の健康破綻は即座に企業の死(倒産・廃業)に直結します。
産業医の視点: 血管の病気はある日突然、前触れなく牙を剥きます。「まだ動ける」「自覚症状がない」という感覚は医学的には全く安全の保証になりません。
診断士の視点: 経営者が倒れた瞬間に銀行口座の凍結、取引先への連絡途絶、現場の指揮命令系統の麻痺が発生します。「社長の健康=企業の最重要資産」と再定義し、トップ不在を想定したBCP(事業継続計画)を平時から策定することが経営責任です。
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