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産業医✕中小企業診断士の視点で挑む経営支援

台風の日に「気合で出社」はもう古い!気圧の急降下が引き起こす心臓のリスクと経営の損失

  • 執筆者の写真: 鈴木龍介
    鈴木龍介
  • 6月4日
  • 読了時間: 3分

【産業医×中小企業診断士が斬る】

こんにちは。産業医・中小企業診断士の鈴木龍介です。

ニュースで台風の接近が報じられる季節になりました。経営者の皆様、自社の「台風シフト」の準備はできていますか?

ひと昔前は「台風でもなんとか出社するのがサラリーマンの鑑」という風潮がありました。しかし、令和の今、その考え方は「経営リスクの塊」と言わざるを得ません。

今回は、台風という自然災害に対し、中小企業診断士の「危機管理(BCP)」視点と、循環器専門医の「気圧と自律神経」の視点から、社長が取るべき最善の決断についてお話しします。

1. 診断士の視点:社員に無理な通勤をさせると「安全配慮義務違反」に?

台風が直撃している中、社員を無理に出社させて、もし駅の階段で転倒して怪我をしたらどうなるか?飛来物が当たって大怪我をしたら?

これは単なる不運ではなく、会社側の「安全配慮義務違反(労働契約法第5条)」として問われる可能性が高い事案です。多額の損害賠償リスクを抱えるだけでなく、SNS等で「あの会社は台風でも社員を強制出社させるブラック企業だ」と拡散されれば、採用ブランドや企業価値は一瞬で地に落ちます。

「電車が動いているから出社しろ」ではなく、「交通機関が麻痺して社員が帰宅困難者になる前に、いかに早く業務をストップ(またはテレワークに切り替え)できるか」が、現代の経営者に求められる危機管理能力です。


2. 循環器医の視点:台風(超低気圧)は、心臓と自律神経への「凶器」である

次に、医学的な観点から「なぜ台風の日は休むべきか」を解説します。

台風とは、言い換えれば「巨大な低気圧の塊」です。気圧が急激に下がると、人間の体はどうなるでしょうか? 実は、気圧の低下を耳の奥(内耳)のセンサーが察知すると、脳に「異常事態だ!」というサインが送られ、交感神経(戦闘モードの神経)が過剰に刺激されます。

これにより、心拍数が上がり、血管が収縮し、血圧が乱高下します。循環器を専門とする私の外来でも、台風が近づくと「動悸がする」「血圧が急に上がった」「胸が苦しい」と訴える患者さんが明らかに増えます。

さらに、自律神経の乱れは強烈な頭痛や倦怠感(いわゆる「気象病」)を引き起こします。心臓や脳の血管に多大な負荷がかかり、脳のパフォーマンスが著しく落ちている状態の社員を無理やりオフィスに座らせても、生産性など上がるはずがありません。ただの「無駄な人件費の垂れ流し」です。


3. 一流のリーダーは「前日の午後」に決断する

では、台風接近時に社長はどう動くべきか? 答えはシンプルです。「前日のうちに、テレワークへの切り替え、または休業(自宅待機)を宣言する」ことです。

最悪なのは「明日の朝、各自で判断して」という丸投げです。社員は「他の人が行くなら自分も行かないとマズイかな…」と無駄なストレスを抱えながら朝を迎えることになります。

「明日は台風直撃の予報だから、原則テレワークとする!出社は禁止!」 前日のうちにこの一言をスパッと言い切れる社長は、社員からの信頼(エンゲージメント)が爆上がりします。結果的に、社員の離職率低下やモチベーションアップという大きなリターンをもたらすのです。


結論:台風の日の「休業」は損失ではなく、最強の「防衛投資」

台風の日の1日の売上を惜しんで、社員の命(心臓)と会社の信用を危険に晒すのは、経営戦略として明らかに「ハイリスク・ノーリターン」です。

自然の猛威には逆らわず、社員の健康を守り抜く。それこそが、長期的に強い会社をつくるための「最強の防衛投資」です。

自社のBCP(事業継続計画)の策定や、いざという時のテレワーク体制の構築に不安がある方は、ぜひ診断士であり産業医である私にご相談ください。「医学」と「経営」の両面から、御社に最適な危機管理ルールをアドバイスいたします。

 
 
 

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