社長の血管の詰まりは、資金繰りの詰まり?「突然倒れるリスク」の本当のコスト
- 鈴木龍介

- 5月31日
- 読了時間: 3分
こんにちは。産業医・中小企業診断士の鈴木龍介です。 普段は循環器専門医として診療にあたりながら、企業の経営と働く人の健康を両立させるためのサポートを行っています。
経営者の皆様、毎日遅くまでの業務、そしてプレッシャーの中でのご決断、本当にお疲れ様です。 「自分が休んだら会社が回らない」 「多少の無理は社長の宿命だ」 そんな風に、ご自身の体のメンテナンスを後回しにしていませんか?
今回は、循環器専門医であり、中小企業の経営を支援する診断士である私の視点から、「社長のメタボ放置が引き起こす、経営上の最大のリスク」についてお話しします。
「昨日まで元気だったのに」が一番怖い
私は循環器の専門医として、日々多くの患者さんと接しています。その中で非常に多いのが、「昨日まで普通にバリバリ働いていたのに、突然心筋梗塞や脳卒中で救急搬送されてきた」という働き盛りの方々です。
健康診断で「高血圧」「脂質異常症(コレステロールの中性脂肪の高値)」「高血糖」、いわゆるメタボリックシンドロームの指摘を受けていたにも関わらず、忙しさを理由に放置してしまった結果です。
これらの恐ろしいところは、「自覚症状が全くないまま、動脈硬化が進行する」ことです。痛みもだるさもないため、倒れるその瞬間まで気づきません。動脈瘤などは、まさに体内に抱えた「沈黙の時限爆弾」なのです。
社長の入院は「黒字倒産」の引き金になる?
ここで、中小企業診断士としての視点に切り替えてみましょう。
もし明日、社長であるあなたが倒れ、1ヶ月間ベッドから動けなくなったら、会社はどうなるでしょうか?
特に中小企業において、社長の存在は「会社の信用」そのものです。
銀行との融資交渉や返済のリスケジュール
重要顧客とのトップセールスやクレーム対応
社内の重要な最終決裁
これらが突然ストップしてしまいます。いくら帳簿上(PL上)で利益が出ていても、社長という要が不在になることで、あっという間に「資金繰りの詰まり」を引き起こしかねません。最悪の場合、黒字倒産の危機に直面することすらあります。
つまり、社長の血管の詰まりは、そのまま会社の資金繰りの詰まりに直結するのです。
健康診断の結果は「自分の体の決算書」
経営者の皆様は、毎月上がってくる試算表(PL/BS)を血眼になってチェックし、少しでも数字に異常や赤字の兆候があれば、すぐに対策を打つはずです。
しかし、ご自身の「健康診断の結果」はどうでしょうか? 血圧やLDL(悪玉)コレステロールが基準値を大きく超えているのに、「まあ、いつものことだから」「薬を飲み始めるのが面倒で」と放置していませんか?
これは経営に例えるなら、「債務超過のサイン」や「重大なキャッシュアウトの危機」を放置しているのと同じくらい危険な状態です。数字に強い経営者だからこそ、ご自身の健康数値もシビアにマネジメントしていただきたいのです。
最高の損害保険は「社長の健康投資」
会社の危機管理(BCP:事業継続計画)というと、システムのバックアップや災害対策ばかりが注目されがちですが、中小企業において最も確率が高く、最もダメージが大きいのは「社長の突然の離脱(キーマンリスク)」です。
高血圧や脂質異常症をしっかり管理し、メタボを改善するための時間とお金。 それは単なる医療費ではなく、「どんな損害保険よりも確実で、コストパフォーマンスの高い究極のリスクマネジメント(健康投資)」です。
まずは、引き出しの奥に眠っている健康診断の結果を引っ張り出して、「自分の体の決算書」と向き合ってみませんか? 数値の見方がわからない、どう改善していいかわからないという経営者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。経営と健康、両面からアドバイスさせていただきます。
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