【産業医×中小企業診断士が斬る】なぜ「給料を上げても」社員のやる気は上がらないのか?経営者が知るべきモチベーションの不都合な真実
- 鈴木龍介

- 6月15日
- 読了時間: 2分
【第1回】理論の導入・経営者の誤解を解く
こんにちは。産業医・中小企業診断士の鈴木龍介です。
新シリーズの本日から5回にわたり、経営学の不朽の名作であるハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」をテーマにお話しします。
「給料を上げてやったのに、なぜあいつらはもっと必死に働かないんだ?」 「福利厚生を充実させたのに、また若手が辞めてしまった……」
経営者の皆様、こんな風に悩んだことはありませんか?実は、ここに多くのリーダーが陥る「モチベーションの罠」が隠されています。
「不満」の反対は「満足」ではない?
心理学者ハーズバーグは、人間の仕事における満足度を調査し、驚くべき結論に達しました。それは、「満たされると嬉しくなる要因(満足)」と「満たされないとイライラする要因(不満)」は、全くの別物であるということです。
つまり、「不満を解消したからといって、やる気が湧いてくるわけではない」のです。
彼はこの要素を以下の2つに分類しました。
衛生要因(不満に関わる要素): 給与、職場環境、人間関係、就業規則など
動機づけ要因(満足に関わる要素): 仕事の達成感、承認、責任の範囲、成長の実感など
お金で「やる気」は買えない
中小企業診断士の視点で言えば、給与や福利厚生などの「衛生要因」は、例えるなら「会社のインフラ投資」です。パソコンが動く、オフィスが涼しい、給与が遅れずに振り込まれる。これらは「あって当然」のものであり、不十分だと社員は強烈な不満を抱いて辞めていきますが、これらをいくら手厚くしても「よし、明日から2倍売上を上げるぞ!」という情熱には繋がりません。
産業医の視点から見ても、衛生要因だけで繋ぎ止めている社員は、より高い給与を提示するライバル他社へ簡単に「転職」していきます。
社員を本気で「自走」させ、情熱を燃え上がらせるには、もう一つの「動機づけ要因」にアプローチしなければなりません。次回はまず、組織の土台となる「衛生要因」の正しい整え方(殺菌プロセス)について深掘りします。
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