【産業医×中小企業診断士が斬る】「やりがい搾取」vs「ぬるま湯組織」。あなたの会社はどちらの罠に落ちていますか?
- 鈴木龍介

- 6月18日
- 読了時間: 2分
【第4回】よくある失敗:片輪経営の罠
こんにちは。産業医・中小企業診断士の鈴木龍介です。 連載第4回。今回は、「衛生要因」と「動機づけ要因」のどちらか一方に偏ってしまった結果、組織が崩壊していく「片輪経営」の罠について警告します。
ハーズバーグの理論を中途半端に適用すると、会社は2つの極端な「病気」にかかってしまいます。社長、あなたの会社は大丈夫ですか?
罠A:「やりがい搾取」のブラック組織(動機づけ◯ / 衛生×)
「うちの仕事は社会貢献になる!」「夢を追いかけよう!」と、やりがいや成長(動機づけ)ばかりを強調する一方で、給与が低すぎたり、殺人的な残業が常態化(衛生不足)しているパターンです。
これは典型的な「やりがい搾取」です。 産業医の視点から言えば、人間の精神力(情熱)だけで走るのには限界があります。やがて社員は「心臓のブラック労働」に耐えかねてバーンアウト(燃え尽き)し、ある日突然、糸が切れたように一斉退職していきます。
罠B:「ぶら下がり」のぬるま湯組織(動機づけ× / 衛生◯)
逆に、「給料も休みも業界最高水準!残業もゼロ!」と環境(衛生)は完璧なのに、仕事は毎日同じ単純作業の繰り返しで、提案しても無視され、成長の実感(動機づけ不足)がないパターンです。
一見ホワイト企業に見えますが、中小企業診断士の視点で見ると、これは非常に危険な「ぬるま湯組織」です。社員は「不満はないけれど、やる気もない」状態になり、会社にぶら下がるようになります。優秀な人材ほど「ここでは成長できない」と見切りをつけ、物足りなさを感じて去っていきます。
自社のバランスを「診断」せよ
「情熱はあるが、みんな疲弊している」なら、衛生要因(労務環境や給与)の改善が必要です。
「居心地は良さそうだが、覇気がない」なら、動機づけ要因(権限委譲や評価、挑戦の機会)が必要です。
どちらが欠けても、持続可能な経営はできません。最終回となる次回は、この「守り(衛生)」と「攻め(動機づけ)」を完璧に融合させたハイブリッド組織へのロードマップをお伝えします。
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